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2026 / 05 / 10 更新 2026 / 06 / 12 事例

AIのPoCが「本番稼働しない」本当の理由

Lead

「デモは良かった。でも現場には入れられない」——士業事務所のAI導入で繰り返されるPoC止まりの構造的な原因と、その突破口を解説します。

「PoCは成功したのに、なぜ動かないのか」

AIプロジェクトの現場でよく耳にする言葉があります。

「デモは良かった。精度も出た。でも実務には入れられない」

これは技術的な失敗ではありません。組織的・構造的な失敗だと考えています。

士業事務所でのAI導入支援を通じて見えてきたのは、PoC止まりになるプロジェクトには共通のパターンがあるということです。

3つの「断絶」

断絶①:課題設定と現場の乖離

PoCの課題設定は、往々にして「所長・IT担当が考えた課題」になりがちです。実際に書類を処理しているスタッフが本当に困っていることとは、別の問いを立ててしまっている場合が少なくありません。

精度95%のモデルを作っても、現場が「そこじゃない」と感じていれば使われないままになってしまいます。

断絶②:技術検証と業務フローの乖離

PoCはデモ環境で動きます。一方、本番は既存の業務システム・帳票・手順書に繋がなければなりません。この間には、セキュリティ・データ品質・例外処理・承認フロー——無数の「最後の1マイル」が存在します。

ベンダーが提案書を出して担当者に渡した瞬間、誰もこの1マイルを責任を持って走らない、という構図になりやすいのです。

断絶③:成功指標と業務KPIの乖離

「AI回答の精度98%達成」はPoCの成功指標になりますが、業務KPIではありません。本番で何件の申請処理が削減されたか、月何時間の工数が減ったか——これを最初から設計していないプロジェクトは、本番移行後に「で、何が良くなったの?」と問われて答えられなくなってしまいます。

「誰が最後まで責任を持つか」が全て

AI導入プロジェクトが本番稼働しない根本原因は、責任の所在の曖昧さにあると考えています。

コンサルは提言で終わります。ベンダーは要件定義通りのものを納品します。AI企業はモデルを渡します。誰も「成果が出るまで」コミットしない構造です。

私たちのアプローチは違います。課題設定から一緒に考え、PoC中も現場の業務フローを観察し、本番移行の設定を自分たちで行い、KPI改善を運用に組み込みます。課題定義から成果計測まで一気通貫で担うことで、断絶が生まれる余地をなくしていきます。

成果が出るまで現場にいる。それだけのことだと考えています。


PoCから本番移行で詰まっているプロジェクトがあれば、現状をお聞かせください。どこで止まっているかを60分で整理することから始められます。

Author · 著者

三方 浩允

AI 導入の論点を相談する

業務課題を 60 分で整理することから始められます。

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